膝痛とは・・・
ひとくちに膝痛といってもいろいろあります。急に膝が痛み出したのなら「急性関節炎」、徐々痛み出し たのなら「慢性関節炎」だと考えられます。更には、どんな時に膝痛が起きるかにより、病名がつくこともあります。例えば、歩き始めや歩き過ぎで痛むことが 多いのなら「変形性膝関節炎」、階段を上る時に痛むのなら「膝蓋骨軟化症」、下りる時なら「半月板損傷」、発育期にスポーツをして痛む場合は「オスグッ ド・シュラッター病」が考えられます。
原因は・・・
姿勢に癖がある人や身体にゆがみのある人は、重心の偏りにより、膝に余計な負担をかけてしまうことが あります。膝を長い間酷使してきた人では、膝への衝撃を吸収するクッション材である関節軟骨が磨耗することもあります。また、病気や生活習慣により痛みが 発症する場合もあります。
■ 変形性膝関節症
関節軟骨がすり減って傷んでしまい、日常生活でも膝に痛みを感じるようになる症状です。慢性関節リウマチなどの病気を除くと、膝の痛みの大きな原因となっ ています。変形性膝関節症は40代以降の女性に目立つ症状ですが、スポーツで膝に負荷をかけてきた人にも見られ、年齢を問わず発症します。
■ ジャンパーズニー(膝蓋靱帯炎)
■ ランナーズニー(膝蓋骨軟化症)
■ タナ症候群
■ 腸脛靱帯炎
■ 鵞足炎
■ オスグッドシュラッター病
発育時の骨の成長に筋肉の発達が追いつかず、太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)が頚骨(膝下~足首にかけての骨)粗面の骨端軟骨を引っ張る状態になるた め、膝下に痛みや骨の突出が生じる病気です。小学生~高校生時に、サッカーやバスケットボールなどのように、プレーの際に激しく膝を使うスポーツをする場 合にみられる一種のスポーツ障害です。膝の皿の部分(膝蓋骨)のやや下が腫れて痛みます。触れると骨が突出しているのがわかります。成熟とともに痛みは消えますが、骨の突出は残ります。ただし、日常生活に支障をきたすことはありません。
■ 運動不足
日頃の十分な運動がない状態で筋肉に無理な負荷をかけると、太ももやふくらはぎの筋力が低下している上に筋肉が一時的に硬くなるため、膝を支える複数の筋肉の機能バランスが崩れて痛みを引き起こすことがあります。
■ O脚・X脚
身体のゆがみにより後天的にO脚やX脚になってしまった場合、O脚では膝の内側へ、X脚では膝の外側へ負荷がかかりやすくなるため、膝痛へ発展することがあります。
■ 合わない靴
サイズの合わない靴や痛いハイヒールを履き続け、足の痛みをかばいながら歩いていると、外反母趾や偏平足になり重心が偏るため、太ももやふくらはぎの筋肉が疲労し、膝への負荷が強まります。
■ 肥満・体重増加
肥満や急激な体重増加は、膝の痛みを引き起すリスクが高くなります。通常、歩くだけでも自分の体重の約3倍、階段の上り下りでは約7倍、走っているときでは約10倍の荷重が膝へかかります。体重が増えると、その分の膝への荷重も3~10倍になります。
■ 過去の怪我の影響
過去に怪我や事故などで膝の靭帯を損傷したり、膝付近の骨折で関節軟骨が傷ついてしまった場合は、怪我自体は治っていても関節軟骨の修復が不十分なこともあります。